彼女の初めての愛車はアルピーヌA110。マイカーの購入資金は22歳の頃から5年間、コツコツと貯めた。それまではどんなスポーツカーを購入しようかあれこれ考えながら、家族の車を乗って過ごしていたとか。そしてやっと理想の車と出会い、2024年の4月、満を持して自分専用のマイカーを手に入れた。
車を好きになったきっかけは中学2年生の時。赴任してきた先生が赤いGT-R35に乗っていた。当時は車の知識はなかったが、男子生徒が騒いていたのを耳にし、GT-Rの存在を知る。それをきっかけに車について調べるようになり、だんだんとスポーツカーへの憧れが募っていく。
「せっかく初めてのマイカーを買うのなら、自分が死ぬ時に人生最初の車はこういう車だった・・・と鮮明に思い出せるような、ずっと心に残る1台にしたかったんです」
そんな彼女の心をとらえたのがアルピーヌA110。 圧倒的に気に入った理由は車のデザインだった。A110に決めてからは中古車のサイトで検索し、走行距離6000kmの新古車を広島県の中古車屋さんで見つける。そして2日後には飛行機に乗って単身、広島県へ。
ただ、いくら見た目が気に入ったとはいえ、試乗する前は、はたして自分が本当に運転できるのだろうかという不安があった。
「不安は試乗をしたらなくなりました。イメージしていたよりも車体は大きくなく、運転はしやすかったですね。バケットタイプのシートは深くカラダが沈み込むので、小柄な私に合うかどうか心配していましたが、難なくドライビングポジションをとることができたので、安心しました」
理想の愛車を手にしてからは、普段の買い物からドライブまで楽しんでいる。ステアリングの操作性や車が軽いことから恩恵を受けた、かろやかな走りの味も気に入っている。
「運転していて楽しいだけでなく、体が楽。無駄な力みがなく、自然体のまま運転できるから、疲れにくいんです」
時折、駐車場などでA110を見て話しかけたられたり、車に詳しい知人からは「すごい車だね」と言われることもあり、そんな周囲の反応も楽しんでいる。
「もしかしたら、私にとっては最初で最後のガソリン車になるかもしれないので、大切に乗っていきたいなと思っています」
そんな彼女に、貴方にとって車とはどんな存在なのかを伺った。
「自分自身がちゃんとしなくちゃという気持ちにさせてくれる存在です。自分にとっては決して安くない車を買ってしまったので、車の維持管理をしていくために、仕事もしっかりしなくてはと、気持ちも引き締まります。それに車に乗っている時は、自身の行動、態度もきちんとしなくてはと思うんです。万が一、人に迷惑をかけるようなことをしてしまったら、A110の評判を落とすことにつながってしまいますから」
中学生2年生でスポーツカーへの憧れが芽生えて、22歳から理想の愛車を手にするために貯金をスタート。A110を手にするまでの彼女の愛車物語は、とても丁寧に時間をかけて、運命の1台にたどり着きます。生涯忘れられない、ファーストカーになることは間違いないですよね。理想の愛車を手にしたからこそ、自分も人生も「ちゃんとしよう」と心に誓う彼女。愛車を楽しむだけでなく、誠実に向き合う様子はとても印象的で、これからも彼女のカーライフを応援していきたいなと思いました。