今回紹介するビードライバーは、レトロなタッチで人々の心に潤いを与えるイラストレーターの伊吹春香さんです。
伊吹さんの愛車はフィアット500C。赤い幌が印象的なカブリオレに乗っている。彼女がこの車を選んだのは、フィアットのホームページにイラストを描く機会が訪れたことがきっかけ。
「イラストを描くお仕事をいただいて、それをきっかけにフィアットのホームページを見るようになり、その際に目に留まったのが今の愛車です」
以前から街中でも見かけていた500C。かわいいなと思いつつも、住んでいる地域は、冬に雪が1m以上積もることがあるため、外に停めた車が雪で見えなくなるのでカブリオレは不向き。周囲の人たちの多くは、四輪駆動車を選んでいる。
でも、500Cを改めて見たときに、自分が乗っている未来が見えたという。
「冬は確かに不向きなのですが、初夏に森林や海辺を、オープンにして走ったらすごく気持ちいいだろうなぁと思ったんです。一度頭に映像が思い浮かんだらどんどんイメージが膨らんでしまいました」
実際にディーラーに足を運びカブリオレと対面。車を間近で見て触れたらますます、その想いは止められなくなった。雪の重みで幌が耐えられなくなったらどうしよう・・・という心配はどこかに消え去り、所有したい!という思いが打ち勝つ。
フィアット500Cに出会うまでは、車は走ればいいという感覚だったという伊吹さん。車の見た目に関しては昔から憧れはあったものの、雪国になる地域では実用性が1番。なのに、彼女が初めて自分から欲した新車は、FF車で、しかも幌がある車。それまでは親のおさがりだったり、中古車が中心で日本車ばかり。外車という選択もフィアットに出会う前は対象にもならなかった。
「周囲からは幌は辞めたほうがいいとかなり言われました(笑) ・・・実は、これまであまり大きな買い物もしたことがなく、特別にこだわって買い物もしたこともありませんでした。だから500Cは、私にとって初めての新車というだけでなく、自らこだわって選んだモノ。そして私の人生で一番大きな買い物です」
「自分の家に車がやってきたときはめちゃくちゃ感動しました」と伊吹さん。納車の日の感動は今でも鮮明なのだそう。
「初めて自分で、自分がほしいものを手に入れてみたら、大人になった実感もしたんです(笑) いまでもフォルムを見るたびに惚れ惚れしています」
まさに彼女の琴線に触れた車。500Cを手に入れたことで、心の充実だけでなく、500Cとともに過ごす日々は彼女自身をも成長させてくれたのだとか。
「見た目に反して加速の良さも気にっています。走りやすいし、コンパクトボディだから狭い道も全くストレスがない。ただ、サイドミラーが手動だったり、シートのリクライニングがネジ式だったりで、最新のハイテク装備はないんです(笑) 新車だったらすごい機能が装備されているのかな?と期待していたのですが・・・。そういう意味では、日本の最新の軽自動車の装備をうらやましく思うこともありますが、それを差し引いても、500Cを買ってよかったと思っています!」
以前は小傷程度なら見逃していた彼女ですが、今の愛車に限っては、小傷もすぐに修復。少々不便なところも含めてすべていとおしいという。まさに相思相愛の1台。
「今思うと、私は『経験』を買ったんだなぁと思います」
伊吹春香さんのインタビュー記事はこちらのビーカーの記事をご覧ください。
車は生活の必需品。しかも雪国。となれば実用性は必須。でも彼女がはじめて自らときめいた車はフィアット500Cでした。
カブリオレもフロントにエンジンがあって、前輪が駆動するFF車も住んでいる地域を考えるとちょっと不向き。
それでも、それを突き抜ける、決め手がフィアットにはあった・・・
そんな彼女と車の物語を伺うだけでも元気になります。車はある意味、そのオーナー自身を表現するモノ。実用性も機能性も大切だけど、琴線に触れるかどうかというのは、車選びには欠かせない大事な要素なんだなと改めて思ったエピソードでした。
さて、伊吹春香さんは、さまざまな場所で活躍するイラストレーターです。ビーカーでもイラストを描いてくれています。そちらの物語は、こちらから読むことができます。ぜひあわせてご覧ください!