いつも誰かの車をあてにしていた。大きな転機があったのは67歳のとき。ご主人が亡くなったことがきっかけだった。「誰かの車をあてにする人生を辞めようと思ったんです。そこからは一念発起して、車の免許を取得しました」。免許取得後は車を購入。はじめて自分で車を出し、自分が好きな場所へ出かける車がある暮らしがはじまった。
86を購入した理由はデザインにひとめぼれしたそう。パンフレットを見て試乗もせずに購入を決めた。「私は秋田県出身で、自分の父親がポンポン船に乗っていたんですけど、その船のエンジン音が好きだったんですよね。今は86のエンジン音に癒されています」。彼女にとって86は人生最後の華という。「あの世に行くときは好きな車に乗っていきたいから(笑) 体は衰えていくことは仕方がないことだけど、気持ちの上で若さを保つことは自分次第でいくらでもできること。86は今の私にとって元気の源なんです」。