今回紹介するのは、旧車はハードルが高いと諦めていた女性。あれこれ遠回りしながらも、素直に自分の心の声に従った彼女が選んだ車は、日産パオでした。パオをマイカーにするまでの物語をお届けします。
ふんわり優しい雰囲気の彼女とのんびりと可愛らしい佇まいのパオ。パオと彼女の雰囲気はとてもよく似合う。いまでこそ彼女と相思相愛のパオですが、パオに辿り付くまでに数年の月日が必要だった。
彼女がパオの存在を知ったのは今の愛車、日産PAOと出会う3年ほど前のこと。ふと「昔の車って素敵だな」と思ったことがきっかけ。YouTube動画をで旧い車を見ているうちにパイクカーというカテゴリーを知り、パオを見つけた。
「でも当時は引っ越したばかりで、古い車なので維持費も心配で可愛いと思ったけど、私にはハードルが高いかなと思い諦めました」
パオは欲しい。でも私には難しそう・・・。そうやってくすぶっている中でマニュアル車にも乗りたくなり、オートマ限定解除をして、マニュアル車のチンクエチェントを愛車に選んだ。
「チンクに乗っていたのですがMT車が自分には合わなかったんです。だんだんと乗りたくなくなってしまい・・・結局、中古のホンダライフに乗り換えました」
しばらくホンダライフとの生活を過ごし、そろそろ車の買い替えのタイミングに差し掛かったときに、再び浮上したのが日産PAO。でもこのときも、旧車を扱えるのかという不安が拭えなかった彼女は、パオへの後ろ髪を引かれつつも新車でN-ワゴンを購入。
とある日。中古車情報を何気なく見ていたら、気になるパオを見つけ、衝動的に見に行きたくなった。
新車のNーワゴンに乗っていても、パオへの愛情は相も変わらず胸いっぱいで、パオが夢にまで現れたそう。夢にだけにおさまらず、パオの宣材写真でTシャツを作ったり、キャンパスバックにA4サイズでプリントしたり。「パオに乗っていないのに、パオのフォルムが好きすぎて、自分でパオグッズを作って使っていました(笑)」
そんなパオ愛が続く彼女だったので、衝動的に心が動かされることが起こったとしてもなんら不思議はない。さっそく、旦那さまを誘って一緒に横浜にある中古車屋さんにパオを見に行った。
「以前見積りをしたパオはキャンパストップだったので、幌の開閉部分や幌の劣化など直すところが多い印象で私には難しいなと諦めましたが、2回目に見たパオは、ハードトップで、サビも少なくこれなら私でもメンテナンスしながら付き合っていけそうと思えたことは決め手になったと思います」
「乗ってしばらくしてアイドリングが不安定になり、エンストをするようになりました。1カ月くらい入院することになったときは、早くもパオ生活が終わってしまうかも・・・と心配になりましたが何とか無事に帰ってきました」
その後も数回、あれやこれやと修理のために入退院を繰り返す。そのたびに無事に帰ってきてくれることを願う日々。
「パオに乗ることで少しずつ車の知識も増えていきました。夫は車が好きなのでいろいろと英才教育も受けています(笑) なかなかの金食い虫で、入院するたびに心配だけど、手放したいとは全く思いません。この子がいいんです(笑)」
普段のお買い物から通勤にもパオに乗っている。月に1度、実家に行くときは片道160kmかけてパオとドライブもする。
「パオの運転席からしか見えない素敵な景色があるんです。他の車とは景色の見え方が違います。そして、どこかゆっくりと時間が流れているようにも感じます」
パオだからこそ苦難も乗り越えられる。そんなパオを愛してやまない彼女に「車とはどんな存在ですか?」と最後に伺った。
「ボーイフレンドでもあり、楽しいときも辛いときも一緒に過ごしてくれる家族ともいえます。例えば仕事でしょげてしまうことがあっても、パオがいつも待っていてくれる。パオに乗り込むとしょげていたことも忘れてしまうんです」
動画でも紹介しています! ぜひご覧ください(^^♪
当時の状態を維持することが彼女の目標で、純正品をとても大切にしている。パオの純正グッズを集めることにもはまっていて、先日取材をさせていただいたときには、純正の車検証入れも見せていただいた。
パオの運転席に座っている彼女は自然に笑顔がこぼれる。運転席は彼女にとって最高の特等席で、運転席から見る風景がとても好きだという言葉が印象的でした。
当初、旦那様は旧いキャブ車を彼女が扱えるか途中で嫌にならないか心配していたそうですが、それはもはや杞憂に。彼女の自然にこぼれる笑顔はパオが側にいてくれれば絶えることがなさそうです。