今回紹介するのは、VWのタイプ1に乗っている女性。彼女が今の愛車に辿りついた物語をご紹介します。
もともと車は生活の道具という感覚で、移動用としてマーチやイスト、ステラ、ミラジーノに乗ってきた。子育てがひと段落した頃、ご主人と一緒にエスティマで車中泊も楽しむようになっていた。
そんな折、免許を取得しマイカーを探していた娘さんがVWタイプ3のヴァリアントに興味を示したのをきっかけに、古いVWの存在を知り、ご主人と一緒にワーゲンの展示やイベントに出かけるようになったそう。
「イベントに出かけるようになってから主人がVWバスタイプ2に興味を持つようになって、こんな車でキャンプにいったら楽しいだろうなと。結局、娘よりも先に主人がVWバスを購入しました(笑)」
エスティマを手放し、バスのDIYをスタート。家具も木で作り内装も仕上げてキャンプやワーゲンのイベントに行くようになった。
「どんどんワーゲン仲間が増えていく中で、すごく楽しかったのですが、運転していない私はちょっとおまけ的な感じがしたんです(笑) 私も自分のVWでイベントに参加したい気持ちが高まり、VWタイプ1の購入を決めました」
今の愛車、タイプ1との出会いもご縁。たまたまご近所に手放す方がいて飛びついた。色的も好みだったことも決め手に。
最初のきっかけは娘さん。それを機にご主人がフォルクスワーゲンバスタイプ2を購入し、続いて娘さんがフォルクスワーゲンタイプ3のヴァリアントを手に入れ、最後に彼女がフォルクスワーゲンタイプ1を購入。とうとう一家には旧車のVWが3台集合することに。
タイプ1を所有してからは、通勤、普段のお買い物など毎日乗っているそう。暑い夏もエアコンレスながら運転している。タイプ1を愛車にしてからはどこを走っていても車が目立ってしまうこともあり、以前にも増して安全運転にも気をつけるようになった。改めて困ったことを伺うと、
「困ったことはパワーがないことですね、家の周囲は急な坂道があるのですがモ~という感じで頼りなく坂道を上っています(笑) あとは夏がとにかく暑く、冬はなかなかエンジンが温まらないこと。仕事場の駐車場からもすぐに出られなくて20分くらいかかることもあります」
そんな旧車ならではの大変さを払拭してしまうのが、見た目の佇まいはもちろん、ワーゲン仲間の輪。
「ワーゲンのつながり、仲間が本当に増えました。ワーゲン乗りって、90%以上の確立で、道ですれ違うと手を振り合うんです。駐車場で会話することもあります。先日は息子と同じくらいの年齢の方と何年式ですか?みたいな」
最後に車とはどんな存在なのかを伺った。
「以前は、車は日常の道具の1つでした。でも今は相棒。私にとってなくてはならない相棒です」
娘さんをきっかけに、古いワーゲンに魅せられて、タイプ1のオーナーになった彼女の人生は、ワーゲンとともに、彩り豊かになっていく。1971年生まれのワーゲンが、令和の時代に、人と人との出会いをつなぐなんてとても素敵です。次回は、Junさんが愛車と出会うきっかけになった、娘のmihoさんのマイカー物語をお届けします。